企業においても、従業員の健康増進のための施策は責務ですが、その積極的な健康維持への取組みである「禁煙」が、とんだ落し穴を生んだ事件を新聞記事で目にしました。
化粧品メーカーであるA社は、たばこを吸わない社員に対してそのご褒美の手当を積立金として支給していました。全社員がこの制度を利用し一定の効果はあったのですが、問題となったのは、喫煙が発覚した場合、支給済みの積立金の全額返還を罰則として規定していることです。
実際に全社員に唾液調査を行った結果、2名喫煙が判明しました。そのうち1名の男性社員は「約束違反」として過去に受取った積立金の総額約20万円を給与から控除されたため、労働基準監督署に訴え出たのです。
労基署は「積立金は賃金で、あらかじめ損害賠償や違約金を決めた契約は労働基準法に違反する。」として、A社に対して是正勧告を求めました。
これに対してA社や禁煙推進団体は「たばこ対策を進めている厚生労働省の出先機関が禁煙対策を妨害している。」として、意義申し立てを検討しているようです。
まあ、労基署の判断は法に則したもので十分予想できたことですが、A社もせっかくいい制度を導入していたのだから、法を勘案してもうひと工夫欲しかったところでしょう。
いいと信じていた施策や規定でトラブルを生んでしまう。さて皆様の就業規則や社内規程は大丈夫ですか?


